逃げるな

死に憧れるな

それを夢想したところで、最果てや死はおれたちからそう遠くに存在してはいない  それはすぐ目の前に、鼻先にその切っ先を突き付けている  おれたちが笑っている時、泣いている時、悦楽の中にいる時、実はそれらが静かでザラザラとして冷たいまま寂寞として無限に広がっている  あらゆる方法でおれたちはそこから逃げようとする  実際にはおれたち自身の影がその闇と半分溶け合ってくっついているから一ミリも逃げられてはいないというのに  逃げるな  現実から逃げるな  おれたちの幻想や夢は少しも現実と乖離してはいない  すべてはおれたちの目の前にある  剥き出しの無防備なランチのように  君はそれを口に運び、全身でその毒を味わう  どこまでも身体を蝕み、どこまでも気を病ませる裸のランチ
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